香川県民のさぬきうどんの記憶を徹底収集 さぬきうどん 昭和の証言

さぬき市志度町・大正11年生まれの女性の証言

終戦後、志度寺の境内で口にした初めての一杯

(取材・文:

  • [showa]
  • vol: 59
  • 2015.07.16

終戦後、志度寺の境内で口にした初めての一杯

 生まれたのは九州です。父の仕事の都合で戦争が終わるまでオーストラリアやハワイ、旧満州などの日本人居留区を転々としていました。当時、海外にいる日本人の間でも讃岐うどんは有名でした。讃岐うどんではありませんが、うどんを食べる機会も現地で何度かあり、店ではもちろん、東北出身の方に作っていただきご馳走になったこともあります。

 戦争が終わって抑留生活を送った後、満州で知り合った夫が香川出身だったこともあり、昭和22年に志度へ来ました。

 讃岐うどんを口にしたのは、それからほどなくしてから。志度寺の境内に建ち並ぶ屋台で求めた一杯が初めての味です。ただのかけうどんでしたが、海外で食べたものとはまるで違う美味しさで感激しました。

 境内に1、2軒あった屋台はうどんだけを販売し、昭和20年代前半まで営業を続けていたようです。

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