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小さい頃、土曜の昼ご飯はよく親に連れられて、近所の食堂でうどん食べてました。店名は「寿(ことぶき)食堂」だったかな、丼ものとか麺類が中心の、いわゆる大衆食堂ですね。うどんは三角形の油揚げと紅白のかまぼこの薄切りが2、3枚のってて、正確にはきつねうどんだと思いますが、品書きはきつねうどんでもかけうどんでもなく「うどん」。うどん、と言えばそれが出てきました。天ぷらうどんとか肉うどんとか他にも種類はあったと思うんですが、子どもは有無を言わさず「うどん」。うどんしか食べた記憶がないんですよね。親は親子丼とか他のもの食べてたのかな。
10月10日のえびす神社のお祭りでは、地区の子供会でちょうさ曳いて町内回って、帰って来たら境内でおっちゃん達がドラム缶で焚き火して、大鍋でうどんとぜんざい作って食べさせてくれてました。うどんは刻んだ油揚げとかちくわとかがちょこちょこっと入ってるだけだったけど、子供心にはおいしかったな。あれも最近では子どもが少なくなったので無くなりましたね。
●編集部より…おそらく昭和40年頃の、東讃の「食堂のうどん」です。「三角の油揚げと紅白のかまぼこの薄切りがのったうどん」は、もはや全県的な「昭和の食堂うどんの定型」として認定しなければなりません(笑)。一方、「お祭り(秋祭り)のうどん」では「うどんとぜんざい」という組み合わせが初登場しました。お祭りには「うどん・ばら寿司・色つきの天ぷら(揚げ物)」が3点セットの郷土料理として語り継がれ、農作業には「どじょううどん」が昭和の定番のように出てきていますが、「うどんとぜんざい」も一つ、記憶に残しておきましょう。