香川県民のさぬきうどんの記憶を徹底収集 さぬきうどん 昭和の証言

高松市屋島西町・昭和25年生まれの女性の証言

屋島西町の旧商店街にかつて存在した、うどん屋と製麺所

(取材・文:

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  • vol: 67
  • 2015.07.16

屋島西町の旧商店街にかつて存在した、うどん屋と製麺所

 小学生の頃、屋島西町にある塩釜(しおがま)神社の近くで育ちました。現在、マンションやコンビニが建ち並び、賑やかになっている屋島西町のエリアは、その頃はまだ塩田。塩竈神社から八坂神社へと続く旧道が、昔はさまざまな店が軒を並べたメインストリートでした。大型バスも通り、塩竈神社で大相撲の興業が開催されるほど商店街は活気にあふれていたものです。残念ながら今ではすっかり店の数が減り、うどん屋は残っていませんが。

 当時のその商店街にあった、記憶しているうどん屋は二軒あります。一軒は、塩釜神社から北へ50メートルほど進んだ場所にあった「青木」さん。店は自宅を開放したお好み焼き屋のような雰囲気で、おばちゃんが一人で切り盛りしてよく流行っていました。

 私は両親が商売をしていたこともあり、小さい頃から一人でよくその店を訪れ、いつも卵とじうどんを注文しました。鍋焼きうどんのような感じで注文ごとに一つひとつ作り、最後に溶き卵を鍋にまんべんなく落としてくれたことを覚えています。もちろん、とても美味しかったのですが、おばちゃんが手際よく作る姿を眺めるのも心地よかったです。

 もう一軒は、塩釜神社から南へ少し進んだ場所にあった製麺所です。名前は忘れてしまいましたが、豆腐屋さんの横にありました。豆腐屋さんももう存在しませんが。その製麺所もよく利用しました。麺を買いに行くだけではなく、持って来てもらったこともあります。飲食店だけではなく、個人宅にも麺を売り歩いていましたね。

 買ったうどん玉は、練り物の天ぷらやかまぼこを具にして家でよく食べました。懐かしいですね。

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