香川県民のさぬきうどんの記憶を徹底収集 さぬきうどん 昭和の証言

高松市扇町・昭和22年生まれの女性の証言

昭和30年頃、扇町ではうどんは外食、花園町では家でうどん

(取材・文:

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  • vol: 66
  • 2015.07.16

昭和30年頃、扇町ではうどんは外食、花園町では家でうどん

 小さい頃(昭和30年頃)、家ではうどんをほとんど食べませんでした。母もあまり家でうどんを作りませんでした。近くの商店街にうどん店があったからでしょうか。

 私が小学生だった昭和30年頃は、扇町の商店街は今よりも随分と賑やかで、店もたくさんありました。うどん屋やそば屋も数軒あり、何度となく家族で食べに出掛けました。店名は忘れましたが、今も営業している銭湯「えびす湯」の隣にあったうどん屋をよく利用した記憶があります。

 家庭の事情で一時期、花園にいた叔母の家に預けられたことがありますが、その時だけは家でよくうどんを食べました。こちらは近所に製麺所があったからでしょうか。その製麺所が早朝から玉売りをしていたこともあり、それを買ってきて家で朝御飯がうどんだったことも珍しくありませんでした。

法事のうどんはお坊さん用?!

 結婚後もうどんにはあまり縁のない生活を送っていましたが、法事の時だけはうどんを外せませんでした。

 夫の里は三木町ですが、法事の際は必ず、うどんを用意します。おじゅっさん(お坊さん)に食べていただくためです。もちろん、うどんとは別に折に入ったお膳も準備します。けれども、おじゅっさんはうどんだけをその場で食べて、折はお土産として持って帰るのが慣例です。うどんをお代わりされることもありますので、いつも少し余分に用意します。

 自分の家系の法事関係は、あじさいの名所としてもよく知られている高松市西植田町の「勝名寺」にお願いしています。こちらのお寺では年に3~4回、檀家さんを招いた法話の催しもあるのですが、その際もうどんと醤油豆が登場します。お寺でのうどんは、うどん県の香川でも珍しいケースではないでしょうか?

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