さぬきうどんのメニュー、風習、出来事の謎を追う さぬきうどんの謎を追え

vol.76 新聞で見る讃岐うどん

新聞で見る平成の讃岐うどん<平成29年(2017)>

(取材・文: 記事発掘:萬谷純哉)

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  • vol: 76
  • 2024.02.19

県外客はネット情報で動く時代、うどん店は引き続き県内外に店舗を展開中

 平成も残すところ、あと2年になりました。この頃の讃岐うどん界の状況を眺めてみると、まず「讃岐うどん巡り」は、多くの県内外客がインターネットとSNSの情報で動く時代になった中で、ネットやSNS上に多様な価値観のおすすめうどん店や人気ランキングの情報があふれてきたため、そこから新たな人気うどん店が何軒も出てきました。香川県を「讃岐うどんテーマパーク」に見立てると、ブームを圧倒的に牽引した「製麺所型店」に加えて「ニューフェイスの人気店」という“新しいアトラクション”が増えてきて、全体的に見るとブーム当初に比べて人の流れもかなり分散してきたようです。

 うどん店を種類別に見ると、最も活発に店舗展開してきたのは間違いなく「ファストフード型大衆セルフうどん店」。意欲あるビジネスマンたちが県内外へのフランチャイズビジネスを展開し、県内でも「ファストフード型大衆セルフうどん店」の支店を出す店が目立ってきました。また、「フルサービスの一般店」も意欲ある中堅や若手の人気店が台頭し、老舗の店も代替わり等でいろいろ工夫しながら頑張っているようです。あと、ブームを牽引した「製麺所型店」も相変わらずの人気ぶりを見せていますが、そもそも“ゆでうどんの玉売り”という業態が冷凍うどんの普及等で「構造的不況業種」になったので、新たな製麺所型店は出てこず、店舗数は減少気味です。

 一方、製麺会社等が製造販売する「半生うどん商品」もますますバラエティになり、うどん関連グッズも百花繚乱。さらにうどんイベントやうどんを使った交流、体験、教室、接待等々の民間活動もあちこちで行われています。「“怪しい”製麺所型店巡り」に始まった讃岐うどんブームは、その効果がフルサービスの「一般店」から「大衆セルフ店」に波及し、さらに讃岐うどんビジネスが活発化し、うどん関連行事もますます隆盛になり、「讃岐うどん」はさらなる大きな成長はないものの、まさに“全軍躍動”的な様相を呈してきました。

 では、そんな状況を踏まえて、平成29年(2017)の四国新聞に載ったうどん関連記事を見ていきましょう。まず、うどん店の状況をレポートした記事が2本載っていました。

高松市中央商店街が、さらに“うどん激戦区”に

 高松市の中央商店街に国分寺の「一福」が出店し、商店街が俄然「うどん激戦区」の様相を呈してきました。

(1月8日)

人気うどん店進出相次ぐ 高松中央商店街南部に8店舗林立 賃料低下背景に 

 高松中央商店街の南部エリアで、うどん店の出店が相次いでいる。9日には同市郊外にある人気店の2号店がオープンを控え、南北約250メートルとその周辺に計8店舗が林立する状態になる。店舗物件の賃料の低下に伴い、飲食店が進出しやすくなったことが背景にあるようだ。…(中略)…南部エリアのうどん店は、南新町、田町の両商店街をまたがるエリアに集中する。2010~12年に丸亀市の「麺処綿谷」など3店がオープン。昨秋以降も、同市内で多店舗展開する「さか枝」が11月に進出した。有名店が2号店、3号店を出すケースが相次いでいる。…(中略)…9日にオープンするのは「一福まちなか店」(本店・同市国分寺町)。…(以下略)

 記事にある「麺処綿谷」、「さか枝」、「一福まちなか店」は、いずれも大人数を収容できる「ファストフード型大衆セルフうどん店」。製造工程等がかなりシステム化されており、必ずしも修業を積んで熟練したうどん職人を必要としないこともあって、多店舗展開しやすいスタイルのうどん店だと言えますが、さすがにエリアの飲食店が“オーバーストア”気味にもなってきました。

県内うどん店の県外進出が続く

 続いて、県内うどん店の全国進出のレポート記事。

(7月30日)

首都圏進出の県内うどん店 「本場の味」提供

 県内のうどん店が数年前から次々と首都圏に進出している。本家そのままの製法や香川らしさを強めたアレンジで、独特のコシや風味を提供し、好評を得ている。東京スカイツリー近くの商業施設「東京ソラマチ」に店を構えるのは「うどん本陣山田家」。…(中略)…「たも屋」は2014年に東京の有楽町に出店。…(中略)…千葉県のイオンモール幕張新都心のフードコートに出店した「竹清」は、多い日には1日1000人近くが訪れるという。「一福」はのれん分けで開店した「香川一福」が東京都内で3店舗営業。…(以下略)

 かつて、ブーム前には県外進出する地元うどん店はほぼ「かな泉」一強だったのですが、ブーム以降は大衆セルフ店や人気一般店をはじめ、県内有名店等で修業した職人が系列店として盛んに出店するなど、讃岐うどんビジネスの活発化によって県外展開するうどん店のバリエーションはすっかり様変わりしてきました。

県外からの讃岐うどん巡り客は年間400万人近くか

 県が平成28年度(2016)に行った観光実態調査の結果が載っていました。

(7月16日)

「うどん」目的がトップ 県外客8割「食べた」 「複数店巡る」3割以上(県16年度観光実態調査)

 県が2016年度に実施した観光客の実態調査で、県外からの観光客のうち、8割近くが「讃岐うどん」を食べていることが分かった。平均約1.5店で飲食しており、香川を旅行先に選んだ理由にも最多の4割がうどんを挙げている。16年度は瀬戸内国際芸術祭や「逆打ち」の四国遍路などが県外観光客の注目を集めたが、定番のうどんも根強い人気を示した。

 調査は昨年6、8、11月と今年1月の計4回、栗林公園や金刀比羅宮など県内の主要観光地10カ所で聞き取り形式で実施。回答した4094人のうち、71.9%の2945人が県外からの観光客だった。県外観光客のうち、うどんを食べた人(予定含む)は77.4%に上り、飲食したうどん店は平均1.49店だった。複数の店舗で食べた人は3割以上おり、うどん店巡りを楽しむ客層が一定数いることがうかがえる結果となった。

 香川への観光を選択した理由(複数回答)は、「讃岐うどんを食べるため」が40.1%を占めた。「歴史的な神社仏閣を見る」(31.8%)、「瀬戸内海の海や島など豊かな自然に触れる」(23.2%)などを上回り、最も多かった。…(以下略)

 香川県の主要観光地を訪れた観光客への聞き取り調査で、県外客の40.1%が香川県に来た理由を「讃岐うどんを食べるため」と答えたそうですが、県の観光客動態調査によると同年(平成28年・2016)の県外観光客入込数は946万人と発表されていましたから、それに40.1%を掛けると、「讃岐うどん巡り」を第一目的とした県外からの観光客は単純計算で「379万人」になります。また、「県外客の8割近くがうどんを食べている」とありますから、県外からの「うどん客」は単純計算で「732万人」。県内最多の観光客を集める「こんぴらさん」の年間入込数が同年で261万人(県の観光客動態調査)とありましたから、「讃岐うどんテーマパーク」が香川県の一番の観光コンテンツになっていることは間違いありません。

「イク麺」と「瀬戸内うどんカンパニー」と「うどん屋めいすいくん」

 県と高松市と三豊市が相次いで、プロジェクトやキャンペーンのネーミングに「うどん」で遊んでいました。まずは、県の「イクケン香川プロジェクト」から「イク麺」が誕生したという話題…と言われても何のことだかわからないと思いますが。

(1月19日)

「イク麺」登場 県の子育て支援プロジェクト カットうどん、特設サイトにレシピ

 子育てしやすい環境や支援策をアピールする県の情報発信プロジェクト「イクケン香川」で、赤ちゃんが食べやすいように短くカットしたうどんをPRする取り組みが19日からスタートする。乳幼児への優しさや調理の簡単さから子育て応援食材「イク麺」と命名した。プロジェクトの特設サイトでPR動画やイク麺を使ったレシピを紹介する。…(以下略)

…ということだそうです。ま、「麺」のダジャレネーミングです(笑)。

 続いて、この頃、国が地域活性化を掲げて「地域の特産物や商品を県外に売ろう」という「地域商社」なるものを推進していたのですが、それに乗って三豊市が「瀬戸内うどんカンパニー」という地域商社を立ち上げました。

(3月28日)

三豊市の「地域商社」社名、「瀬戸内うどんカンパニー」に 経営トップを全国公募 年間報酬1000万円 商品開発などで手腕

 三豊市は27日、民間主体の会社で地域経済の活性化に取り組む「地域商社」の設立支援事業で、社名を「瀬戸内うどんカンパニー」に決定したと発表した。経営トップの「CUO(最高うどんビジネス責任者=Chief Udon Officer)」は年間1000万円の報酬で全国から公募し、三豊の特色を生かした商品の開発や販売などで手腕を振るう人材の登用を目指す。…(以下略)

 社名に「うどん」が入り、トップは「CUO」、「チーフうどんオフィサー」だそうです(笑)。「最高うどんビジネス責任者」とありますが、事業内容は「三豊の特色を生かした商品の開発や販売など」とあるように、特に「うどん」には特化していないみたいです。

 続いて高松市が「うどん屋めいすいくん」という選挙啓発キャラを作りました。

(7月6日)

1杯食べたら1票を! 「うどん屋めいすいくん」誕生 高松市選管、ご当地版作成

 高松市選挙管理委員会は「明るい選挙推進協会」のキャラクター「選挙のめいすいくん」のご当地版を作成した。名称は「うどん屋めいすいくん」。讃岐うどんとコラボレーションしたデザインで、「1杯食べたら1票を!」とアピールしている。「めいすいくん」は選挙啓発を目的に2000年に誕生したキャラクター。全国各地の選管がご当地版を作成しており、桃太郎をイメージした岡山県の「岡山めいすいくん」、カツオとコラボした高知市の「かつおに乗っためいすいくん」、西郷隆盛に扮した鹿児島県の「めいすいどん」など約50種類が活躍している。…(以下略)

めんすいくん

 うどん店の「明水亭」のキャラかと思ったら、どうやら「明るい選挙推進協会」の「明」と「推」をとった「めいすい」だそうです。協会全体のキャラクター「選挙のめいすいくん」は「お父さん、お母さん、ただしくん、メイちゃん」の家族仕立てになっていて、それに加えて「ご当地めいすいくん」が全国各地にいるとのこと。行政はこういうのをほんとによくやりますが、まあ楽しそうで何よりです(笑)。それにしても、ブーム以前は「うどん」や「麺」をこうしたネーミングに使うことはほとんどなかったことを思うと、改めて香川で「うどん」が揺るぎないブランドになってきたと痛感します。

県産品と「うどん」のコラボ企画も相変わらず

 行政のもう一つの“あるある”は「名産品、特産品の組み合わせ企画」ですが、この年もうどん関連で2つ出てきました。まずは「うどん」と「オリーブハマチ」をくっつけた、名前もそのまま「オリーブハマチうどん」。

(11月29日)

オリーブハマチ10周年 うどんと夢のコラボ 県内5店舗スタンプラリーも

 オリーブハマチ生誕10周年を記念した「オリーブハマチうどん」が県内のうどん店で提供されている。1月中旬までの間、オリーブハマチを使ったうどんを注文してスタンプを集めると、県産のノリやイリコが当たる抽選に参加できる。県民にオリーブハマチをより知ってもらおうと、「さぬき海の幸販売促進協議会」などが初めて企画した。

 提供しているのは全て高松市内で、▽もり家本店(香川町)▽さぬき麺業本店(兵庫町)▽さぬき麺業松並店(西ハゼ町)▽さぬき一番一宮店(三名町)▽手打ちうどんひさ枝(郷東町)の5店舗。ハマチの漬けをトッピングしたうどんの他、バジルやトマトなどを用いたイタリアン風、中華ごまだれのつけ麺風、しゃぶしゃぶ風などと各店舗それぞれの味が楽しめる。スタンプは、各店舗が提供しているオリーブハマチうどんを注文すると1個もらえる。…(以下略)

 「さぬき海の幸販売促進協議会」というのはもちろん県の関連団体。「スタンプラリー」も行政系でよくやる企画です(笑)。

 そしてこちらも県が絡んだ「さぬきの農泊・食文化海外発信地域推進協議会」が、農水省の認定を受けて「讃岐うどん」と「四国遍路文化」のPR活動を始めました。

(12月16日)

「さぬきの食」で誘客 農泊地域に県内14市町 うどん、四国遍路中心にPR 訪日観光を推進へ

 農林水産省は15日、地域の食文化を生かして訪日外国人の誘致を推進する「農泊・食文化海外発信地域」に県内14市町にまたがる「さぬき地域」など10地域を新たに認定したと発表した。政府は認定地域を「SAVOR JAPAN(セイバージャパン)」の統一ブランドとして海外に情報発信する。…(中略)…

 さぬき地域は、県や農業団体、観光団体などでつくる「さぬきの農泊・食文化海外発信地域推進協議会」が応募。小豆島の2町と直島町を除く14市町が対象で、さぬきうどんと四国遍路文化をメインに売り込む。具体的には「お接待の心でもてなす『さぬきの路』」をコンセプトに、うどんの他、さぬき讃フルーツやオリーブ牛、オリーブハマチなどの地元食材をアピール。うどん店巡りやうどん作り体験と四国遍路などを組み合わせた周遊観光のモデルルートも用意する。…(以下略)

 農水省の「農泊・食文化海外発信地域」指定や、政府の「SAVOR JAPAN(セイバージャパン)」など、いろんな名称の新しい取り組みが登場していますが、そこに出て行くのは「讃岐うどん」や「四国遍路文化」、「さぬき讃フルーツ」「オリーブ牛」「オリーブハマチ」等々、あまり変わり映えしないラインナップです(笑)。

環境、福祉に「うどん」を利用

 「うどん」の社会活用の話題が2つ載っていました。

(6月20日)

フードバンクにうどん 組合提供 ロス削減、福祉施設などへ

 本場讃岐うどん協同組合(高松市)は、賞味期限が近いことなどを理由に販売できなくなった土産用うどんを、NPO法人「フードバンク香川」に提供する取り組みを始めている。これまではごみとして廃棄せざるを得なかった商品を、福祉施設などで有効に活用してもらい、食品ロスの削減につなげる。…(中略)…提供するのは、加盟社が製造する土産用うどんのうち、賞味期限が1カ月を切って店頭に並べられなくなったり、印字や重量にミスがあったりして、これまで廃棄していた商品。各店舗からフードバンク香川を通じて、福祉施設や子ども食堂などに届けられる仕組み。…(以下略)

 「賞味期限が1カ月を切ったら店頭に並べられなくなる」ようなうどんがあるんですか。もったいない。十分食べられると思いますから、ぜひ有効活用してください。

(9月7日)

レク用うどん 販売本格化 ウエストフードプランニング 介護施設、事業所向け

 県内でうどん店をチェーン展開するウエストフードプランニング(丸亀市)は、介護施設や事業所向けの手打ちうどんセット「うどんレク・元気玉」の販売を本格的に始めた。延ばす、切るなどの一連の工程を行って「作る喜び」を大勢で共有、さぬきうどんの本場ならではのレクリエーションとして普及を目指す。「うどんレク・元気玉」は、福祉施設からの「次々とイベントを企画するのが大変」という声を踏まえ、考案。2015年かがわ県産品コンクールで最優秀賞に輝いた家庭用うどん打ち体験セット「元気玉」をアレンジし、…(中略)…袋に入れた生地を踏んで延ばす作業や麺棒で延ばす麺打ちなど、食事時間も含めて40分間ほどで楽しめる内容。手先や足腰に軽度の運動効果がある他、グループで会話をすることで脳の活性化が期待できるという。…(以下略)

 皆さん、いろいろ考えていらっしゃいます。これまでにも「うどん発電」や「災害時のうどん供給協定」など、多方面にわたって「うどん」の社会的な活用がいくつか出てきましたが、いずれも時代に沿った「ブームの産物」だと言えるでしょう。

「讃岐うどんブーム」は「めりけんや」の東京進出が起こした?!

 この年、県内識者の方がコラムの中で「さぬきの夢2000」と「讃岐うどんブーム」の起こりについて語られていました。

(7月21日)

讃岐うどん、「うまい、安い、早い」で全国区に

 四国新聞に連載した「グルメの哲学」の3回目にこう書いた。「讃岐うどんに使われている小麦の9割はオーストラリア産で、製粉会社が県産を1割以上混ぜると、うどん屋から品質が悪いとの文句が来る」。…(中略)…香川県民の皆さんは、讃岐うどんがおいしいのは県産小麦の品質が良いからと信じており、このコラムはショックのようだった。私は「讃岐うどんにケチをつける男」と言われた。…(中略)…このコラムがきっかけになって、県はうどんに向いた小麦の品種改良をすることになった。私は、経験もない香川で小麦の育成などできないと思ったが、驚いたことに、8年でASWに負けない品種を作り上げた。その品種に当時の真鍋知事が付けた名前が「さぬきの夢2000」だった。…(中略)…

 讃岐うどんは今や全国に知られているが、そのきっかけは、2002年にJR四国の子会社「めりけんや」が東京に進出したことだと思っている。「うまい、安い、早い」が人気になり、マスコミが注目した。セルフも興味を引いたようだ。1998年から、私は異業種交流会を開いていた。そこで、同社の諏訪輝生社長が「たかがうどんや、されどうどんや」と題し、東京での販売の苦労話をした。当時は土産用の半生麺などを販売していた。私は社長に強く東京進出を勧めた。

 1号店は恵比寿駅だった。開店後1ヶ月ほどして私が行くと、テレビの取材が来ていた。何社来たか尋ねたところ、数えてはいないが20社以上だろうとのことだった。私の元にも多数来た。札幌テレビも取材に来て、特集番組を放映したそうだ。札幌に住む妻の叔母がそれを見て、「讃岐うどんを食べに行きたい」と電話をしてきた。…(中略)…電通の元四国支社長によると、広告費に見積もると数十億円。これだけ宣伝すれば有名になるのは当然だ。当時の梅原利之JR四国社長と、めりけんやの諏訪社長の功績は大きいと私は思う。…(以下略)

 まず「さぬきの夢2000」について、「(この識者が)四国新聞に書いたコラムがきっかけになって品種改良が始まった」とありますが、当欄の新聞記事発掘によると「さぬきの夢2000」の開発開始は1991年で、識者のコラム掲載は1993年なので、記事をそのまま受け取ると、時系列がちょっと前後しているように見えます。ちなみに「8年でASWに負けない品種を作り上げた」とありますが、これまでの新聞記事に何度も出てきたように「夢2000」はASWに比べてかなり評判がよくなかったようですけど。

 また、讃岐うどんが全国的に知られるようになったきっかけが「2002年の『めりけんや』の東京進出だ」とのことですが、1990年代後半から2000年にかけて「怪しい製麺所型店」を中心とした「讃岐うどん巡りブーム」が起こり、全国ネットの雑誌やテレビが膨大な量の情報発信をして全国から讃岐うどん巡り客が殺到したことは、どうも「なかったこと」にされているようです(笑)。それと、「めりけんや」と同時期に全国展開を開始して「めりけんや」より圧倒的に店舗数を拡大した「はなまる」の功績にも触れられていません。

 まあいずれも紙面の制約上言及されなかっただけなのかもしれませんが、これもかつて何度か出てきたように、やはり識者や権威筋の間では「讃岐うどんブームは先人のたゆまぬ努力の上に、2002年の『めりけんや』の東京進出と2006年の映画『UDON』の公開と2011年の『うどん県宣言』が起こした」という認識があるようです。しかし、何しろ権威筋ですから、いずれこうしたストーリーが「公式な讃岐うどんの歴史」として定着していくのかもしれません。

新聞に載ったうどん関連広告は低調のまま

 新聞に載ったうどん関連広告は低調のまま、目立った動きはありませんでした。

<県内うどん店>
【高松市】

「たも屋」(高松市朝日新町他)………4本
「さぬき麺業」(高松市松並町)………3本
「うどん棒」(高松市亀井町)…………1本
「てら屋」(高松市檀紙町)……………1本
「ヨコクラうどん」(高松市鬼無町)…1本

【東讃】

「マルタツ」(東かがわ市伊座)………1本
「八十八庵」(さぬき市多和)…………1本
「野田屋竹屋敷」(さぬき市多和)……1本

【中讃】

「日の出製麺所」(坂出市富士見町)…1本
「こだわり麺や」(丸亀市他)…………1本
「こだわり八輻」(善通寺市善通寺町)1本
「中野うどん学校」(琴平町)…………1本

<県内製麺会社>

「石丸製麺」(高松市香南町)…………3本
「藤井製麺」(三木町)…………………2本

<その他>

「さぬきうどん技術研修センター」……1本
「中野うどん学校」(琴平町)…………1本

(平成30年に続く)

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