香川県民のさぬきうどんの記憶を徹底収集 さぬきうどん 昭和の証言

高松市番町・昭和29年生まれの男性の証言

高松高校の学食うどんは20~30円

(取材・文:

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  • vol: 32
  • 2015.07.10

高松高校の学食うどんは20~30円

昭和45年頃。私は高松高校に通っていて、学食メニューにうどんがありました。すうどんですよ。値段は20~30円だったと思います。セルフ店みたいに、高高もあの「テボ」ですか? あれで生徒が自分でゆがいていました。うどんの思い出というと、早くはその学食くらいです。

あと、大学が京都でしたから、当時は帰省の際には、宇野から宇高連絡船に乗って帰ってきていました。その甲板でうどんを売っていました。冬の寒い時でも必ず甲板に上がって注文して、食べていましたね。うどんをあそこで食べることが「高松に帰っりょる」という感じがして、よかったんでしょうね。妙においしかった。京都に行くときは食べないけれど、高松に帰るときは必ず食べましたね。

山道から谷川に向いて下りていく店

あと、記憶に鮮烈に残っているのが、大学卒業後、県庁に勤め始めてすぐの頃。まんのう町のあたりに県のお茶の農業試験場ができて、そこを仕事で訪ねた際に、上司がお昼にうどん屋に連れて行ってくれました。看板もなく、山道から谷川に向かってちょっと降りていく、小屋みたいな店でした。うどんは、うどん玉に醤油とねぎをかけて食べるというものでした。そんな、だし汁のない、うどん玉だけ食べるうどんというのは初めてで、「えー? 醤油だけかけて食べるの?」と思ったんだけど、それがものすごくうまくて、おかわりして5玉も食べました。忘れません。5玉。あんなに醤油だけかけて、5玉もうどん玉を食べたのはあのときが初めてでした。それが今では県外にも名の知れた「谷川米穀店」だったんですね。今や行列店ですが、ご近所や知っている人が来ている感じの店でしたね。

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