香川県民のさぬきうどんの記憶を徹底収集 さぬきうどん 昭和の証言

善通寺市櫛梨町・昭和29年生まれの男性の証言

元祖宮武の先代が「うどんや」でうどんを習っていた?! (匠の学舎理事長・白川勝さんのお話)

(取材・文:

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  • vol: 193
  • 2017.04.24

宮武の大将のお父さんから玉を買っていた

 小さい頃はな、うどん玉は売りに来てた。うちに売りに来てたんは、今はもう閉めてるけど琴平の「宮武」のうどん屋さん、あそこのお父さん。
旧「宮武」の大将のお父さんが売りに来てたんですか!
自転車の大きな荷台に、うどん玉の入ったせいろを重ねて売りに来てました。僕がちっちゃい頃やけん、昭和30年代の後半から40年代の頭くらいかな。特に農繁期なんて忙しいから、うどん玉を売りに来てくれるのは重宝してましたね。売りに来てもくれてたし、玉買いにも行ってました。
ご自宅ではうどんは打ってましたか?
たまにおふくろが打っとったんやけど、印象に残っとるのは打ち込みうどん。うちのおふくろの場合は味噌味だったり醤油味だったりしたかな。野菜ばっかりで、肉も玉子も入ってなかったです。少し大きくなってからは、鍋焼きうどんもおふくろが作ってくれよりました。

元祖宮武の先代が「うどんや」でうどんを習っていた?!

 うちの近所に「うどんや」っていう屋号の家があるんですよ。昔は他に「ろうそくや」いうんもあったし、「だいくさん」いうのもあった。屋号っていっても、僕らの近所だけででそう呼んどっただけかもわからんけどね。「ろうそくや」は昔、ロウソクを作っりょったからそう呼んでたんだろうけど、昔からうどんもやっりょったんと違うんかな。僕が小さい頃には、その「ろうそくや」はもうロウソクは作っりょらなんだ。
まあ、昔のうどん屋さん屋号はそのあたり、適当だったのかもしれませんね(笑)。
 その「うどんや」に、「宮武」のおっさん、シロウさんっていう人が行ってうどんを覚えて、我んところでうどんを打ちだした。それで、初めはうどん玉を売りにいっきょったんを、自分ところで製麺所として売り始めた。
ほんとですか!
 うちのおふくろも「うどんや」でうどんを習うてきた。「うどんや」の息子さんとうちの親父が同級生でな。うちの親父が昭和3年生まれやけん、戦後すぐぐらいの話やな(笑)。うちの親父の同級生、カクイチさんいうんやけど、「琴平観光センター」いうんが昔あったん知ってる?
今は有料駐車場になってて営業していないところですね。
 そうそう。それで、そのカクイチさんがあそこで長年うどん屋をしよった。観光センターの中の飲食部門のうどん。

法事にはうどん三昧

 法事の時は、前の日に家の人が親戚やらにうどんを持って行って、「明日、法事しますからよろしく」って案内しよった。それで、明くる日に法事に参ってくれたら、まずうどんですよ。それも湯だめうどんやったな。来た人に順番に「どうぞ」言うて、今で言うコーヒーやお茶を出すタイミングでうどんを。
お昼のお膳にはうどんは入ってましたか?
 お膳には入ってなかったと思う。
おみやげにうどんは渡してましたか?
 おみやげは出してましたね。
宗派はどちらですか?
 浄土真宗。必ずうどんは持って帰ってもらいよりました。

印象深いうどん

今まで食べた中で一番印象に残ってるうどんって何ですか?
 そりゃ、伊勢うどんかな(笑)。カルチャーショックだったわ(笑)。

あと、晩の夜食代わりの稲庭うどんっておいしいな。あれはそうめんと似てるかな。

さぬきうどんとは違ったおいしさがありますよね。
 釜揚げやったら「香の香」は大好きやけどな。麺は「なかむら」の麺が好きやったけど、あそこの麺もちょっと変わってきたけん。昔はもっと黄色かった気がする。まあ、うどんはその人その人の好みやけん(笑)。
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