さぬきうどんのあの店、あの企業の開業秘話に迫る さぬきうどん 開業ヒストリー

上杉食品店内

【上杉食品(三豊市豊中町)】
早朝からうどん好きが詰めかける、昔ながらの食料品店に併設された製麺所。

(取材・文:

  • [history]
  • vol: 7
  • 2016.09.15

第三話

上杉食品・後編

聞き手・文:羽野茂雄
お話:四代目 上杉律子様(昭和25年7月13日生まれ)
   五代目 上杉公彦様(昭和49年1月25日生まれ)

<平成時代>

ーー 今のように流行りだしたのはいつごろからですか?

律子
田尾さん率いる麺通団の皆さんたちが平成12年(2000年)に選んだ第1回「讃岐饂飩巡礼八十八箇所」に入ってから、目に見えて常連さん以外の客が増えてきました。ちょうど息子の公彦がこの店を本格的に手伝うようになったころからです。それより前に讃岐うどんがブームになり始めたころは、香川県でも西の方のうちまでは影響が少なかったようですね。
公彦
高速道路の料金が全国千円になった時は、県外からの遠来客が殺到しました。ナンバーを見てびっくりするほど遠くから来てくれていましたね。本広監督の映画『UDON』にもちょっと映していただきました。本広監督には、ユースケ・サンタマリアさん、小西真奈美さんなどの出演者もつれてきていただき、楽しい話題になりました。サインももらって店に飾ってあります。
ーー 店に「感激する納豆うどん」いうのがありますが…

店内は、右に客席、奥が製麺スペース。

店内は、右に客席、奥が製麺スペース。

律子
12〜13年前(平成15年頃)からありますよ。うちは朝早くからうどん食べにくるお客さんが多いやろ。そんで、朝ご飯がうどんやったら、納豆かけたら体にええんかなと思って出すようになったんですよ。そしたら、いつも来るお客さんが「納豆入れたらうまいんな」言うから「そらうまいで」言うて出したら、お客さんが「これはいけらい(これはいける)。久しぶりに感激したわ」言うて。それで「感激する納豆うどん」が誕生したわけです。うどんに50円プラスしてもろたら、「感激する納豆うどん」が食べられますよ。
ーー 私(筆者)は東京でおったこともあるけん、納豆なんちゃでないけど、昔の三豊の人は納豆あんまり食わんけんな。最初は気色悪いけど、慣れたらうまいんやろなあ。ところで、公彦さんはどこでうどんを習いましたか?

五代目若大将です。

五代目若大将です。

公彦
本格的にやるようになってからの師匠は、春喜さんと母の律子ですね。よその店でなく、うちの店で習いました。うどん屋の息子ですから子どものころから足踏みくらいの手伝いはしていましたけど。この道に入って、もうかれこれ15年ほどになりました。

ーー 110年近い歴史のある「上杉食品」の味を守っていくのは大変なことだと思いますが、やりがいも大きいですね。五代目を背負う抱負を聞かせてください。

公彦
応援してくれる多くの人々の期待に何とか応えたいと頑張っています。朝4時からうどん作るのは大変ですが、6時前からやってきておいしそうに食べてくれるお客様のことを思うと、早起きの苦労などは何でもないことです。新しく開業した店とは違って、店内も狭くて古ぼけていますけど、そこに1世紀以上続いた伝統の重みを感じています。うちのうどんでなかったらいかん、というお客様のために、毎日頑張るしかありません。
上杉食品外観

三豊市

上杉食品

うえすぎしょくひん

〒769-1504

三豊市豊中町上高野2791

開業日 明治40年

営業中

現在の形態 製麺所

(2015年7月現在)

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